“老後破産”が切実に心配で……「お金の不安」解決策

隠居せずに働き続ける、生活研究の第一人者・阿部絢子さんに学ぶ①

日本人の平均寿命は伸び続け、100歳以上の高齢者は、2050年に約70万人になるといわれています。そんな「人生100年時代」で、さまざまな「老後不安」を抱えている人も多いのではないでしょうか。60代から新たな仕事に就き、現在も定収入を得ている阿部絢子さんに、「老後破産」にもつながる「仕事の不安」を解決する方法を取材しました。

生活研究の第一人者 阿部絢子さん(72歳)

[プロフィール]
生活研究家、消費生活アドバイザー。家事をはじめとする生活研究の第一人者としてメディアで活躍する一方、百貨店の消費者相談センターにも30年以上勤務。現在も執筆や講演などを精力的に続けている。近著は『案ずるより、片づけよう 住まいの老い支度』(講談社)。


退職して、定収入の
ありがたさを再認識

消費生活アドバイザーの草分けである阿部絢子さん。長年勤めた職場を離れるまでには、さまざまなとまどいがあったといいます。

「年金を60歳から繰り上げで受給開始。講演や執筆の仕事もありましたが、勤務先からの定収入がなくなる現実にがく然としました。結局、定年後のことを、真剣に考えていなかったんですね」

>現実を見据え、定収入の大切さを再認識した阿部さん。選択したのは、64歳からの“就活”でした。

「薬局でパートタイマーとして働き始めました。この年で新しい仕事に就くのは、レジの操作ひとつとっても簡単ではありません。以前の仕事とは勝手が違うという気持ちの切り換えは必要ですね」

でも、お客さんとの会話は楽しく、発見の連続だったとか。やはり仕事のおもしろさは、続けてみないとわからないといいます。


薬局で接客中の阿部さん。「発見したのは、自分は接客が好きだということ。好奇心が、新しい仕事を楽しむ秘訣ですね」

「すでに70の大台に乗りましたが、60代で仕事を続けていたから、今も働ける自分がいると思います。60代をどう過ごすかは大事。70代から急に仕事を始めるのは、やはり、大変かもしれません」


いくつになっても
得意なことで役立ちたい

定収入を確保すべく再就職した阿部さんですが、“働く”ことについては、一家言あるといいます。

「“働ラク”とは、傍(はた)の人、つまり周りの人が“ラク”になることだと思うんです。年を重ねても“傍がラク”になるために自分ができることを探すと、自分の役割が見えてきます。その意味では、収入につながらないボランティアも、大事な“傍ラク”だといえるでしょう」

>そういう阿部さんが、今、楽しいのは、片づかなくて困っている人の家を、片づけることだとか。

「私は片づけ方の本も何冊も書いてきましたが、やはり得意なことは楽しい。こんな片づけの“お助けレポート”が、雑誌の連載にならないかと思ったりして(笑)」

再就職先の仕事も持ち前の好奇心で楽しみ、新しい仕事への意欲も絶やさない。“傍ラク”ことを楽しむという阿部さんの選択は、これからのシニア世代にとって、大いに励みになりそうです。


*雑誌「NHKガッテン!」臨時増刊号(2017年11月発行)より


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