“老後破産”が切実に心配で…「お金の不安」解決策

定年時の預金が150万円しかなかった元会社員・大江英樹さんに学ぶ①

日本人の平均寿命は伸び続け、100歳以上の高齢者は、2050年に約70万人になるといわれています。そんな「人生100年時代」で、さまざまな「老後不安」を抱えている人も多いのではないでしょうか。定年退職後、経済コラムニストとして活躍する大江英樹さんに、「老後破産」にもつながる「お金の不安」を解決する方法を取材しました。

元会社員の経済コラムニスト 大江英樹さん(65歳)

[プロフィール]
証券会社退職後、資産運用やシニアのライフプランに関する執筆や講演で活躍。サラリーマンを退職した後の方がむしろ活発に活動している“リアル定年男子”。著書に『老後不安がなくなる定年男子の流儀』(ビジネス社)など多数。


退職前後の3年間
家計簿をつけました

老後不安の第一は、やはりお金。貯金を使い果たして「老後破産」してしまわないか、不安に思う人は多いでしょう。定年退職後に企業人から経済コラムニストに転身した大江英樹さんは、「漠然と不安な日々を送るより、まずは現在と将来の収入と支出を把握・予測することが大事」といいます。

「私の定年時の預金は150万円。でも、退職前後の3年間だけ家計簿をつけてみて、退職後のほうが約3割も支出が減ることがわかったんです。減らせる支出も、必要な収入の目安もわかり、それで無駄な心配はしなくなりました」

大江さんは定年後に再雇用を選択します。ただし、それは65歳までの期限付き。仕事の裁量範囲も限られ、もの足りなさも感じたとか。そこで、雇用延長の期限を待たずして、起業を決断します。

老後不安解決の最善策は、働き続けること。老後が不安なら、老後をなくせばいい。早く悠々自適になりたい方もいるでしょう。私も以前はそうでした。でも、いくら旅好きでも、日常の忙しさがあるから旅が楽しいんです。そこで私の場合は、好きな道で働き続けられる起業の道を考えたんです」

とはいえ、定年後に新しい仕事を始めるのは、簡単ではないと、多くの人は思っているでしょう。

「私も最初からうまくいっていたわけではありません。趣味の集まりなどで、いろいろな方と話をするうちに、“私が他の方の役に立てること”が見えてきたんです。自分に何ができるかは、じつは他人が発見してくれるんですよ


多趣味な大江さんだが、「旅が何より楽しい」とのこと。フランス旅行では、事前にフランス語を習い、料理を習える宿に宿泊。

 

退職前の社外の人間関係、仕事以外のつながりも大事にして、相手のためにできることがあれば、損得関係なく真摯にやってみる。組織を離れた一個人が信頼を得るには、“ギブ&テイク”ではなく、“ギブ・ファースト”の気持ちが大事。大江さんはそう語ります。

 

定年を迎えても、60代はまだまだ気力も体力も十分。高齢社会の今、長くなった人生を経済的な不安なく楽しむには、早々に「隠居」などせず、働き続けたほうが得策のようです。

*雑誌「NHKガッテン!」臨時増刊号(2017年11月発行)より


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